合戦があった場所

これは武蔵の弟子伊織の発言です。

街道で白骨を見つけた伊織に対し、ここは古戦場であり、合戦で命を落としてきた人のおかげで今の我々がある、気持ち悪いと言わずに手を合わせろと武蔵は語ります。

この古戦場は、南北朝時代に合戦があった場所と言われています。

戦国時代に南北朝時代の骨があるのも変な浮気調査 長崎話ですが、少年に人の道を説く為に目をつぶりましょう。

武蔵が仏の道には悪人にも救いの道があると教えると

[「じゃあ、忠臣も逆賊も、死ねば同じものになるんですか」]

この後は、伊織を納得させる為に武士道を武蔵が語ります。

このエピソードは国の礎を築いた人達に対する感謝と武士道もありますが、足利尊氏と逆臣の話に注目したいです。

足利尊氏は後醍醐天皇の呼びかけに応じて鎌倉幕府を襲撃しましたが、建武の新政で袂を分かち忠臣から逆臣になりました。

この作品は戦前生まれを対象にした大衆文学です。伊織のリアクションは読者のリアクション、武蔵の発言は作者の発言と言い換える事も可能です。

この宮本武蔵は4巻で天皇と庶民の関係を、この7巻では天皇と足利尊氏と現代人の関係を描いています。

吉川英治は三国志では、尊皇を掲げて戦った劉備を主人公にしています。

それならば、私本太平記の主人公は尊皇の英雄楠木正成になるはずですが、足利尊氏が主人公です。

彼が作家としての挑戦で三国志での劉備と曹操の関係にあたる正成と尊氏を逆転させただけという考えも出来ますが、武蔵が伊織の問いに同意をしない事を見ると、吉川英治が深い意図を持って太平記の主人公を足利尊氏にしたと推測出来ます。

皇室を巡るスキャンダルや議論が盛り上がっていますが、論点を深める為に足利尊氏の足跡を見つめる事にヒントがあると感じる今日この頃です。

About

Categories: 未分類